設立趣意書

長崎県日中親善協議会 設立趣意書

 わが国と中国は隣国であり、二千年に及ぶ伝統的友好の歴史をもっています。
特に長崎県と中国とは、一衣帯水の間にあり、古くから政治的にも経済的にもまた文化的にも深い関係を保ち、わが国の鎖国時代二百有余年の間においてさえ、この長崎を唯一の開港場として中国との交流を続けたのであります。
ただ不幸にしてわが国がこの度の戦争により中国国民に重大な損失を与え、この伝統的な誼みを傷つけましたことはまことに遺憾なことであり深く反省するところであります。
1972年9月29日北京で成立した、日本の田中総理大臣と中華人民共和国周国務院総理との共同声明は、長かった日中両国間の不正常な状態に終止符を打ち、新しい国交関係が樹立されましたが、これは私ども長崎県民にとっても誠に喜びに絶えないところであります。
今後は、平和友好を基調とした諸協定が締結され、人的往来、経済文化の交流が急激なテンポで拡大されることと思われますが、歴史的、地理的に最も関係の深い本県といたしましては、大いに歓迎し、努力しなければならないと思います。
特に、県民待望の長崎県友好訪中使節団は、去る昭和47年10月18日、中日友好協会の招へいが決定し、わが国初めての地方自治体の使節団として、10月末より11月にかけて18日間にわたり中国を友好訪問し、中国と長崎県の友好親善のきづなが結ばれたのでありますが、これら日中相互の親善協力関係を一層推進いたしたいと存じます。
ここに平和を求める日中両国民共通の願望を達成することを目的とし、日中共同声明の諸条項の早急な実現を促進するとともに人事、経済、文化の交流をはかるため、県内を一丸とした長崎県日中親善協議会を設立することと致しました。
つきましては、本趣旨にご賛同いただき是非参加ご加入賜りますようお願い申し上げます。

昭和48年5月6日

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